【読書感想文にも】「注文の多い料理店」から学ぶ騙される人の心理と心構え |

【読書感想文にも】「注文の多い料理店」から学ぶ騙される人の心理と心構え

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定番中の定番

授業でもよく取り扱う短い小説 森鴎外著「最後の一句」はさくっと読める...

前回、読書感想文のおすすめとして「最後の一句」を取り上げました。

しかし最後の一句は文章も難しくなかなか食指が動かない小説かもしれません。

今回取り上げる「注文の多い料理店」はあの林修先生もなんども読書感想文の題材としたというほどに面白く、自由な読解が許されている物語です。

というわけで今回は読書感想文の定番中の定番、「注文の多い料理店」を取り上げ

騙される人の心理と騙されないための心構えについてもあわせて説明していきたいと思います。

あらすじ

もはや説明は不要かもしれませんが念のため少しだけ。

『山奥に入った紳士二人が腹を空かせたところに山猫軒という西洋料理店を見つけ、自分たちが何かを注文するのかと思いきや逆に注文を受けて食べられそうになるも間一髪のところで犬が助けてくれた』

というたった90文字に要約できる簡単な勧善懲悪的な童話です。

この物語の読み方はさまざまで、当時急速な近代化(欧米化)によって生まれた資本家階級の傲慢さを皮肉った、風刺した話と読み解くのが一般的です。

ですが今回はあえて時代背景を鑑みることはせず、素直に話を受け取って騙される人の心理について解説していこうと思います。

驕らない

紳士二人は、銃を持って今や遅しと動物を狩ろうと模索します。

彼らの心中に、帰れなくなるだの襲われるだのという懸念は一切ありません。

このことから考えるに、まさか自分という人間が危ない目にあうわけがないという傲慢さが詐欺や謀略にはまるのだということがわかります。

不幸の中に舞いこんだ幸を優先しない

紳士らは山奥まで来て迷い、犬を失いという不幸続きだったのにそんな山中にあるはずのない西洋料理店に惹かれ今までの損を忘れてしまいます。

どれだけ損をしてもちょっとした得のほうばかりを優先して考えると痛い目にあうのだということがわかります。

FXトレーダー的に言えば、「損切り」が下手で諦めが悪いということですね。

「こんなに不幸が続いているんだ。そんなうまい話あるわけがない」と疑ってかかることを忘れないようにしましょう。

怪しいと思った心から目を背けない

身なりを整えるためのブラシを板の上に奥や否や、ぼうっとかすんで無くなって風がどうっと入ってきます。

紳士らはびっくりはするものの、それ以外には気にも留めず次の扉を開けてしまいます。

騙す人の言動に注視してみると、案外非現実的なことをしたり言ったりしているものです。

少しでもおかしいと思う部分があったら、まよわず引き上げましょう。

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よく考える

若いお方と肥ったお方を歓迎する理由を紳士らは深く考えませんでした。

加えて「注文はずいぶん多いでしょうがこらえて」というどう見てもおかしい文脈にも、ちょっと疑問符が浮かんだだけでそのまま次の扉へ進んでしまいます。

どうしてそんな風なことを言うのかしっかり考えて、おかしい部分について逐次指摘し納得のいく返答をもらうことが騙されないために大切なことです。

勝手な解釈をしない

牛乳のクリームを塗るのは厳寒の山中でひび割れを起こさないようにだ、と解釈。

酢くさい香水は下女が間違えたのだ、と解釈。

落ち着いて、一度立ち止まって考えればどうみてもおかしいと思えることに「いや多分こういうことなんだろう」と勝手な解釈をしてしまっては、騙す側の思う壺です。

欲望を先行させない

こうしてしっかり疑わないのも、勝手な解釈をしてしまうのも、怪しいことから目を背けるのもすべて紳士らが腹が減って仕方がなかったからです。

自分の欲望に目がくらんで、真実が良く見えなくなってしまったときはとりあえず「NO!」と言えるようになりましょう。

紳士二人が助かった理由

まず彼らは二人でした。

二人ならお互いにおかしいと思ったことを確認しあえます。

そうして間一髪のところでどうも怪しいということにやっと気づくことができました。

しかしそれだけではありません。

死んだはずの犬という第三者の助太刀によって事なきを得ました。

ここから考えるに、騙されたあとに助かるためにはまず身近な友人などと確認しあうこと。

それからもう少し遠い関係に位置する第三者、先生や上司、弁護士などに自分の置かれている状況を話してみると思わぬところで助けに来てくれるかもしれません。

まとめ:騙されてからでは遅い

一度騙された紳士たちの、紙くずのようになった顔はもうもとのとおりにはもどりませんでした。

騙された人は誰に対しても強い不信感を抱くようになって、それはもう人間的な普通の営みさえできなくなってしまいます。

とはいっても、騙される前から人を疑ってかかるのはお互いにとって気持ちの良いことではありません。

ですから中立的な立場で、自分のこと相手のことを客観的に見ることが肝要です。

こんな風な大人でもまじめに読み解くことができる童話「注文の多い料理店」はやはり不朽の名作といって差し支えないでしょう。

青空文庫でも読めますので、最近本読んでないなーという方も読んでみてはいかがですか?

学生のみなさんはいまごろ、やっと来た夏休みを満喫していることでしょう。...

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